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歯を抜いてから入れ歯が入るまでの、歯のない期間。前歯や何本かまとめて抜く方にとっては、抜く痛みより、その間に人前で話せるか、何を食べればいいかの方が差し迫った問題です。
当院では、この期間をつくりません。治療用の入れ歯が入るのは、最短で抜いた当日、通常は翌日から2日ほどです。ただし楽な道ばかりではないので、通院の手間や費用も含めて先に知っておいてください。
ふつうは、歯ぐきが治るのを待ってから作る
歯を抜いた後は、傷口がふさがって歯ぐきの形が落ち着くのを待ってから型を取り、入れ歯を作る。待ってから作るのが通常の進め方で、待つ期間は医院の方針と抜いた本数で変わります。そこから型取り、噛み合わせの記録、試し入れ、完成と進むので、入れ歯が口に入るまでにはさらに日数がかかります。
待つのには理由があります。抜いた直後の歯ぐきは日ごとに形が変わるので、落ち着いてから型を取れば、作った後の修正が少なくて済むからです。ただ、その間ずっと歯がない状態で過ごすことになります。この期間をどう扱うかは、歯科医院によって考え方が分かれるところです。
当院は、歯がない期間をつくらない方を選んでいます。抜いたその場で型を取り、最短で当日、通常は翌日から2日ほどで治療用の入れ歯を入れます。
歯がない期間に、口の中で起きていること
歯がないまま過ごすと、見た目と食事の不便さだけでは済みません。口の中は少しずつ変わっていきます。速さは一様ではありませんが、起きることは決まっています。
歯ぐきがやせていく
歯を支える必要がなくなった歯ぐきと、その下の骨は、噛む力がかからないまま置かれるとやせていきます。入れ歯は、歯が生えていた部分の歯ぐきの盛り上がり(土手)に乗って支えられるので、土手が高くしっかりしているほど安定し、やせた土手の上では動きます。いったんやせた歯ぐきは、再生のための外科処置をしなければ元には戻りません。当院が抜歯後すぐに治療義歯を入れるのは、入れ歯で噛む力をかけ続けて、この土手をできるだけ残すためです。
噛み合わせがずれる
抜けた場所を避けて残っている歯で噛むうちに、噛む位置や顎の位置が少しずつずれます。片側ばかりで噛む癖がつくと、顎やまわりの筋肉に偏った負担がかかります。
隣の歯が動いてくる
空いた隙間に向かって隣の歯が傾き、噛み合う相手の歯が伸びてきます。歯が動いた後で入れ歯を作ろうとすると、入れ歯を入れる場所が狭くなっていて、設計の自由度が下がります。
入れ歯が入るまでの数日間の過ごし方
抜歯から入れ歯が入るまでは、抜いた側で噛むのを避け、熱いものや硬いものも控えてください。食べ物や強いうがいなど、細かな注意点は抜歯のときに口の状態に合わせてお伝えします。前歯を抜いた場合、入れ歯が入るまでの数日は見た目が気になります。外出のときはマスクでしのいでください。
抜いた翌日に入れ歯が入る仕組み
当院は、入れ歯を作る歯科技工所(株式会社大阪歯科センター)の中にある歯科医院です。歯を抜いた直後に型を取り、模型の製作、噛み合わせの記録、人工歯の並べ方の確認まで同じ建物の中で進めるので、外部の技工所に型を送って数日待つ工程がありません。1本だけ抜いた場合でも、総入れ歯になる場合でも、歯のない部分を補う入れ歯が入るのは最短で当日、通常は翌日から2日ほどです。
このとき入れるのは最終的な入れ歯ではなく、「治療義歯」と呼ぶ治療用の入れ歯です。厚さは約1.5mm。役目は、本義歯を作れる口に整えることです。見た目を整え、やわらかい歯ぐきが硬いものを噛める状態に固まるのを待ち、噛み合わせのずれを取っていきます。ここが整ってから最終的な入れ歯(本義歯)を作ります。本義歯は、金属のプレート部分の厚さが0.35mmです。仕上げの前に、ろうの状態の入れ歯でピーナッツを噛んでいただき、噛み合わせの精度を確かめます(ピーナッツチェック®)。
治療義歯と本義歯の違いは入れ歯治療(https://www.mtc-clinic.or.jp/denture/)に、翌日に入れる考え方はMTC03 抜歯した翌日に義歯が入る(https://www.mtc-clinic.or.jp/mtc_pamph-3/)に、それぞれまとめています。
抜歯直後の入れ歯で、先に知っておいてほしいこと
歯がない期間をつくらずに済む反面、抜歯直後の入れ歯には楽でない面もあります。
まず、傷が治っていく間は、入れ歯が当たって痛みます。それと、治療義歯を入れた後も歯ぐきの形は変わり続けるので、入れ歯と歯ぐきの間に隙間ができて緩く感じる時期が来ます。これは治療義歯なら想定どおりの変化で、来院のたびに当たる部分を削り、やせた部分には内側を足して合わせ直します。そのために治療義歯の期間は、1〜2週間に1回通っていただきます。歯がない期間を待たない代わりに、通院の回数は増えます。
痛みや緩さを我慢して使い続けると、歯ぐきを傷めます。おかしいと思ったら、次の予約を待たずに連絡してください。
歯を抜いた後から本義歯の完成までの流れと費用
当院で抜歯から入れ歯の完成まで進める場合の流れです。期間はいずれも目安で、口の状態で前後します。
初診から治療義歯を入れるまで
初診で口の中全体を診断し、治療計画と見積りを説明します。抜歯をして、その場で型取りと噛み合わせの記録を行い、治療義歯を作ります。治療義歯が口に入るのは、最短で当日、通常は翌日から2日ほどです。
治療義歯で整える期間
治療義歯を使いながら通院し、歯ぐきと噛み合わせを診て調整を重ねます。期間は2週間から3か月ほどです。残っている歯の虫歯や歯周病の治療も、この期間に進めます。
本義歯の製作から完成後まで
口の状態が整ったら本義歯の製作に入ります。製作には2週間から1か月ほどかかります。完成時にはその場でスルメや茎わかめを噛んでいただき、噛み合わせが合っているかを確かめる工程(スルメチェック®)を行います。うまく噛めなければ噛み合わせが合っていないと判断し、噛み合わせの記録からやり直します。完成後も数回の調整があり、その後は少なくとも3か月に1度の定期検査で状態を見ていきます。初診から定期検査までの工程は、診療スケジュール(https://www.mtc-clinic.or.jp/flow/)に段階ごとにまとめています。
費用
当院は保険診療を行っていません。会員制の自由診療で、以下はすべて税込、料金表に載せている金額です。
抜歯は単純なもので11,000円、複雑なもので16,500円。入れ歯は、金具を使わない部分入れ歯のMTコネクター®です。料金には治療義歯の費用が含まれます。失った歯が1本で363,000円、2本で495,000円、3本で660,000円、4本以上で990,000円、7本以上で1,210,000円。欠損の本数は、上の顎と下の顎で別々に数えます。総入れ歯(総義歯・将来設計義歯、治療義歯を含む)の金額は、料金表をご覧のうえ、診察でご案内します。
入れ歯安定剤を使っている方や歯ぐきが大きく動く方など、難しい条件がある場合は技術料が加わります。どの条件にいくら加わるかは料金表(https://www.mtc-clinic.or.jp/cost/)に載っています。
抜歯後の骨や歯ぐきの状態によっては、歯周組織再生療法、骨再生誘導法を組み合わせます。インプラントも視野に入れた計画やインプラントをしなくても歯周組織、残存骨をできるだけ保存するという観点からこれらを抜歯のときから検討します。金額は、材料の種類や量によって適用範囲によって異なりますが再生療法はおよそ110000円〜となります。
このほかに初診料22,000円、基本再診料11,000円、会費(月額11,000円)が必要です。
リスクとしては、抜歯後の腫れや痛み、入れ歯が当たることによる痛み、歯ぐきの変化に合わせた調整のための通院があります。慣れるまでの期間も調整の回数も、口の状態で大きく開きます。短く済む方もいれば、長くかかる方もいます。
相談のときによく出る質問
抜歯は他院で受けます。いつ相談すればいいですか?
抜歯日が決まる前、できれば抜く前に一度来ていただくのが、歯がない期間を一番短くできる進め方です。初診で口全体を診て、抜く歯と残す歯、治療義歯を入れる日、抜いた後のインプラントの可能性、その後の来院日まで一度に計画できます。他院で抜歯される予定の方も、抜歯日が決まっている段階でご相談ください。
すでに抜いてから日が経っている方も、ご相談ください。抜歯からどれくらい経っているか、歯ぐきがどこまで変わっているかを診たうえで、進め方をご案内します。歯がない期間が長いほど歯ぐきはやせていくので、迷っている段階でも早めにご連絡ください。
1本抜いただけでも入れ歯にした方がいいですか?
1本でも、空けたままにすると隣の歯が傾き、噛み合う相手の歯が伸びてきて、後から補う方法が限られていきます。当院の入れ歯は1本の欠損から作っており、MTコネクター®は金具を使わず、隣の歯に負担をかけない入れ歯です。入れ歯で補うのが向いているかどうかも含めて、口の状態を診たうえでお伝えします。
抜く前の段階から、治療計画をご相談ください
当院が考えるのは、入れ歯かインプラントかの二択ではありません。その方の健康にとって最適なプランを、MTコネクター®を基本に、必要に応じてインプラントも併用して組み立てます。抜いた後にインプラントを入れる可能性があれば、抜き方や骨・歯ぐきの扱いも変わるので、計画は抜く前から始める必要があります。
抜歯を控えている方、抜いた後の入れ歯やインプラントをどうするか迷っている方は、お電話(06-6769-2230)か、お問い合わせフォーム(https://www.mtc-clinic.or.jp/inquiry/)でご相談ください。今の口の状態をうかがい、抜歯から治療の完成までの進め方をご案内します。
- 監修医情報
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みやの歯科医院 院長
宮野 敬士 歯科医師