
入れ歯は噛むためだけの道具ではない
入れ歯は物を食べる時だけはめている。そんな方はいらっしゃいませんか? 噛み合わせのバランスは身体のバランスを保つのに非常に重要ですから普段から食べている時以外も入れ歯を装着しないといけません。 ここで重要なのは普段からはめていられる違和感のない、噛み合わせのバランスが整った快適な入れ歯であるか?ということです。 身体に合っていない入れ歯を普段からはめていても身体は悪くなるだけですから、常にその時の身体に合った、調整された違和感のない快適な入れ歯を装着しないといけません。
人間は直立二足歩行で重力に逆らってこの地球上に生活しています。頭部は5キログラムほどあり、これはボーリングの球ほどの重さですが、その重い頭を首の骨(頸椎)が支えているのです。その頭を支える助けとなるのが歯の噛み合わせと舌の筋力なのです。
赤ちゃんが成長する過程で寝返り、お座り、ハイハイ、つかまり立ち、たって歩く、走る、これらの成長に背骨の湾曲と歯並びは非常に関係が深いですが、正常な発達には歯の正常な萌出と噛み合わせの形成が非常に重要になってきます。
フランスの整形外科医、アダルベールカパンジーは自身の成書で「これらの背筋の湾曲は人がボール紙を噛み合わせる時に明らかになる平面h(眼耳平面)と上下の歯が噛み合う咀嚼平面m(咬合平面)により成り立つ」と明らかにしています。 つまり噛み合わせの平面がおかしいと背筋が曲がってしまうということです。 入れ歯を入れないで生活していたり、噛み合わせのバランスが悪い入れ歯をはめて生活しているとこの平面が安定せずおかしくなり、上部頸椎という頭を支える一番上の首の骨(第一頸椎)と2番目の骨(第二頸椎)がずれてしまうのです。 これは入れ歯を装着している方のみならず、全てご自身の歯がそろっている方でも形の悪い被せ物や詰め物をして噛み合わせの支点や支軸がおかしくなることで、上部頸椎がずれてしまいます。上部頸椎がずれることで神経の狭窄圧迫が起こり、脳からの神経の伝達が100%全身にいかなくなります。これを上部頸椎サブラクセーションと言います。 上部頸椎がずれると人間は先ほども申し上げたように重力に逆らって頭を水平、垂直に保とうとしますから背骨全体を歪ませて生活するようになるのです。そうすると二次的・三次的に脊髄の神経を圧迫し肩こりや腰痛、手足の痺れ、四十肩・五十肩・坐骨神経痛や膝の痛み、脊柱管狭窄症、ヘルニア、すべり症と行った症状が出てきます。それらはあくまで結果にすぎず、根本原因は上部頸椎の歪みなのです。それを慢性化させているのは噛み合わせのバランスの悪さだと言えます。
また上部頸椎には生きている人間では生命維持に重要な脳幹の一番下にある延髄という部分が入り込んでおります。延髄には心臓中枢・心臓血管中枢・呼吸中枢・姿勢制御・自律神経中枢・咀嚼嚥下中枢・消化中枢など我々が正常な生命活動を行う上で非常に重要な部分でああり、延髄が圧迫し神経の伝達が悪くなるもしくは過放電で制御ができなくなると高血圧・不整脈といった循環系のトラブル、呼吸不全といった呼吸器系トラブル、姿勢制御ができなくなり手足のずれ骨格の歪みからの筋・骨格系トラブル・自律神経の乱れから全身の臓器の調整不全・消化器系トラブル等起こってきます。それほど上部頸椎という部分の歪みは我々の正常な生命活動にとって致命的なのです。 また入れ歯の噛み合わせが悪いと左右の咀嚼筋が不均衡に働き蝶形骨に歪みをもたらします。蝶形骨には内分泌中枢である下垂体が存在し、この部分の歪みは副腎や甲状腺の機能や性ホルモンに影響を及ぼします。
つまり噛み合わせが悪い入れ歯・入れ歯でなくても噛み合わせのバランスが悪いと全身の様々な機能に不具合が出てくるということです。
当院では科学的に上部頸椎の骨格的な歪みをまずCTで評価し、脳からの神経の伝達や自律神経の働きに問題があるかどうかを定量的・定性的に科学的に機器を用いて分析し治療・調整前後で脳からの生命エネルギーの伝達を改善してその人本来の自然治癒力が発揮できるような入れ歯治療・噛み合わせ治療を行っております。
入れ歯は噛むためだけの道具ではないのです。